24歳彼氏なし

「すみません。遅くなってしまって。」

 

 

 

「ふふっ、良いのよ。来てくれて嬉しいわ。」

 

 

 

「ありがとうございます。あぁ、ネックレス凄く好評でした。」

 

 

 

「本当に?嬉しいわ。」

 

 

 

そう言うと、香さんはシャンパンを注文する。

 

 

 

 

「とりあえず、乾杯。」

 

 

 

カチン、と品良く重なったグラス。

 

 

ピンク色の綺麗なシャンパンがカラカラになった喉に染み渡る。

 

 

 

 

「美味しい…。」

 

 

 

そう呟くと、香さんはニコニコ笑いながら私の顔を見つめる。

 

 

 

 

「ねぇ、透ちゃんって呼んでいいかしら?私のことは香さんって呼んで。」

 

 

 

「はい。全然大丈夫です。…香さん。」

 

 

 

「話には聞いてたけど、本当に可愛いのね。」

 

 

 

「えっ?」
「透ちゃんって、今いくつ?」

 

 

 

「私は24です。」

 

 

 

「彼氏とかいないの?」

 

 

 

「か、彼氏ですか?いません。仕事一筋です…お恥ずかしいですが。」

 

 

 

どうやら急な用事ではなかったらしい。

 

 

 

香さんは何故か私のことについてかなり質問を投げかけてくる。

 

 

 

男性のタイプや、今までのこと、何か品のいい女子会?みたい。

 

 

話が宝石の話題に及ぶと、香さんは一段と楽しそうに話し始めて、気がつくとかなり長い時間話し込んでいた。

 

 

「香さんって、素敵な方ですね。お話していて楽しいです。」

 

 

 

「本当に?あらっ、もうこんな時間。何だか付き合わせてしまって申し訳なかったわね。」
「いえ、楽しかったです。また誘ってください。」

 

 

 

「そうね、また付き合ってね。」

 

 

 

香さんは、照れながらそう言うと電話をかけ始めた。

 

 

 

 

「もしもし、恭太…加藤さん。透ちゃんとご飯食べてたの。迎えに来てあげてくれる?」

 

 

 

「えっ?いや、大丈夫です。電車で帰りますから。」

 

 

 

「女の子がこんな遅くに一人で帰るなんて危ないでしょ。私は迎えを用意してあるから。ここは甘えたらいいの。」

 

 

 

そうやって私にウインクする。

 

 

 

 

「いや…でも。」

 

 

 

私の抵抗も虚しく、暫くすると恭太さんがレストランに来た。

 

 

 

「随分長い飯だな。」

 

 

 

「女子には話すことがたくさんあるのよ。ねー、透ちゃん。」

 

 

 

「は、はぁ…。」

 

 

「女の子って年でもないだろ。」

 

 

 

「失礼ね。レディーの扱いがなってないわよ。」

 

 

 

そうやって頬を膨らませる香さん。

 

 

 

 

「はいはい、透、帰ろう。」

 

 

 

「うん。香さん、今日はありがとうございました。クリスマスの企画、精一杯頑張らせていただきます。」

 

 

 

「うん、透ちゃんなら大丈夫よ。」

 

 

 

じゃあね。そう言い残すと香さんは迎えに来た車に乗り込んで帰っていった。

 

 

 

 

恭太さんの車に乗り込むとシートベルトをしめる。

 

 

 

 

「ごめんなさい。一人で帰れば良かったんだけど。」

 

 

 

「良いんだよ。どうせ香に言われたんだろ。気にするな。」

 

 

 

そう言って、恭太さんはクシャクシャと私の頭を撫でる。