永遠の愛

部長である恭太さんに泥を塗らないためにも、

 

 

そして、自分の実力を認めてもらうためにも、

 

 

今までがむしゃらに仕事をしてきた。

 

 

 

 

「冗談よ。でも、透の実力なら本当にそうなっちゃいそうね。」

 

 

 

「無理だって。」

 

 

 

謙遜ではなく本気でそう思う。

 

 

 

 

恭太さんが出来る人だと知ったのは社会人になって働いてからだ。

 

 

 

確かに恭太さんは、高校や大学は名の知れたところに入っていたけれど、

 

 

 

 

彼の仕事を側で見て「あぁ、この人凄いんだ。」と思い知らされた。

 

熱意とか、こなし方とか、

 

 

そういうのも全部含めてこういう人になりたいって純粋にそう憧れた。

 

 

 

 

「部長は幸せよね。こんな有望株の女の子に愛されてさ。」

 

 

 

「さぁ…どうかな。」

 

 

 

私は、小さくため息をつくと残っているスープを飲み干した。

 

次の週。

 

 

私たちはさっそくクライアントに会うためにRの会社を訪ねた。

 

 

 

 

「では、初めにコンセプトの方からお聞きしたいのですが。」

 

 

 

「そうね…。これは、私にとって特別な企画なの。コンセプトは『永遠の愛』ってとこかしら。」

 

 

 

Rの社長との顔合わせ。

 

 

 

噂をはるかに超える美人な社長。

 

 

香さんは長い脚を組替えながら優雅に笑ってみせる。

 

 

 

 

「『永遠の愛』ですか?」

 

 

 

「そう、愛って言っても恋愛だけじゃないわ。家族や、友人のような、大事な人に送る『永遠の愛』。これをテーマにしたの。」

 

 

 

「素敵なテーマですね。」

 

 

 

私がそう言うと、香さんはまた嬉しそうに笑う。
「そう言ってもらえると嬉しいわ。」

 

 

 

「私たちが担当させていただくジュエリーとは、どの様なものなんでしょうか?」

 

 

 

藤高さんがそう言うと、香さんは引き出しからケースを取り出した。

 

 

 

 

蓋を開けるとピンク色の石が薔薇の花にかたどられたネックレスが光っている。

 

 

 

 

「うわぁー、凄く綺麗です。」

 

 

 

「これはね、ローズクォーツで出来ているの。類家さん、ローズクォーツの宝石言葉って知ってる?」

 

 

 

「いえ…知らないです。」

 

 

 

「これにはね優しさ・情緒・愛情って意味があって、持つ人に魅力を与えてくれるのよ。」

 

 

 

「へぇー。素敵ですね。」